◎注目!!

「首謀者に逆らえなかった」 指示役を殺人容疑で再逮捕へ―那須2遺体

栃木県那須町の河川敷で会社役員夫妻の遺体が見つかった事件で、殺害などの指示役とされる職業不詳佐々木光容疑者(28)=死体損壊容疑で逮捕=が、首謀者の疑いがある会社役員関根誠端容疑者(32)=同=について、「逆らえなかった」と供述していることが18日、捜査関係者への取材で分かった。

 警視庁と栃木県警の合同捜査本部は19日、佐々木容疑者を殺人容疑で再逮捕する。関根容疑者ら4人も順次、同容疑で立件する方針。


つばさの党代表ら3人逮捕 演説妨害容疑、全容解明へ―捜査本部設置、異例の立件・警視庁

衆院東京15区補欠選挙(4月28日投開票)を巡り、他陣営の演説を妨害したとして、警視庁捜査2課は17日、公選法違反(選挙の自由妨害)容疑で、政治団体「つばさの党」代表の黒川敦彦(45)=埼玉県朝霞市朝志ケ丘、同党幹事長で同補選に立候補した根本良輔(29)=東京都練馬区東大泉=両容疑者ら3人を逮捕した。同課は認否を明らかにしていない。

 選挙の自由妨害を巡る政治団体代表や立候補者の逮捕は異例。黒川容疑者は13日に同庁の家宅捜索を受けた後、自身の配信動画で「選挙妨害に関しては前例がない」として、不当捜査だと訴えていた。

 同庁は複数陣営から妨害行為について被害届を受理しており、捜査本部を設置し、全容解明を進める。

 他に逮捕されたのは同党運動員の杉田勇人容疑者(39)=住所不詳=。

 逮捕容疑は、補選告示日の4月16日午前11時から約50分間、江東区のJR亀戸駅前で、無所属の乙武洋匡候補(48)らが選挙カーの上で演説中、聴衆に背を向けて同候補と対面したり、電話ボックスに上って拡声器で怒号を上げたりして、演説を妨害した疑い。

 同庁はこの行為について同18日に警告をした。しかし、黒川容疑者らはその後も同様の妨害行為を繰り返しており、悪質性が高いと判断し、立件に踏み切った。


自民党がいよいよ崖っぷち…ナンバー2・茂木幹事長が見せている「意味深な動き」

 

驚きの調査結果


ロシア領攻撃を容認 「ウクライナが最終決断」―米国務長官

ウクライナを訪問中のブリンケン米国務長官は15日、首都キーウ(キエフ)で記者会見し、米国製兵器を使ったロシア領内への攻撃について、「この戦争をどう遂行するかは最終的にはウクライナが決断することだ」と述べ、容認する姿勢を示した。

ロシアの「さらなる攻勢」予想 ウクライナに追加支援―米

 バイデン米政権はこれまで、米国製兵器によるロシア領内への直接攻撃を制限してきた。ただ、これがロシア軍に有利に働いているとの指摘が出ており、制限撤廃の要望が強まっていた。


小沢氏、企業献金禁止に反対 立民の改革案「ばかなこと」

立憲民主党の小沢一郎衆院議員は14日、同党が政治改革案として掲げる企業・団体献金と政治資金パーティーの全面禁止に異議を唱えた。献金禁止について「反対だ。何をばかなことをやっているんだ」と述べ、執行部を批判した。国会内で記者団の質問に答えた。

 小沢氏は「企業が悪だという前提に立っている」「自由なところは自由にし、全部公表すればよい。いいか悪いかは国民が審判する」と主張した。

 パーティーについても「何が悪いのか。(自民党議員が)明らかに悪いことをしているのに何も(法的)処罰がないことが問題だ」と強調した。小沢氏は自民党幹事長経験者。


出光興産子会社の社長死亡 首都高で横転したタクシーに乗車―警視庁

首都高速湾岸線でタクシーが横転し、客として乗車していた出光興産の子会社「出光タンカー」社長、松尾一郎さん(61)=横浜市港南区日限山=が死亡したことが13日、警視庁高速道路交通警察隊への取材で分かった。

 同隊によると、事故は11日午後6時55分ごろ、東京都大田区羽田空港の首都高湾岸線のトンネル内で発生。片側3車線の直線道路で、タクシーは左側の縁石にぶつかって横転した。松尾さんは後部座席に座っていて胸を強く打ち、病院に搬送されたが死亡した。

 タクシーの男性運転手(46)も死亡したが、大きな外傷がなく、同隊は運転中に病死した可能性もあるとみて調べている。


米上院議員、また原爆正当化 「イスラエルも何でもすべき」

米共和党の重鎮グラム上院議員は12日、NBCテレビの番組に出演し、広島と長崎への原爆投下を改めて正当化した。その上でイスラエルへの弾薬輸送を一部停止したバイデン大統領を批判し、「われわれが広島、長崎に原爆を投下して戦争を終わらせたように、イスラエルもユダヤ人国家として生き残るために必要なことは何でもすべきだ」と主張した。

 グラム氏は番組で原爆投下を「正しい決断だった」と強調。司会者から米軍が戦後、民間人犠牲者を最小限に抑えるために(精密誘導兵器などの)技術開発を進めたことを指摘されると、「くだらない」と切り捨てた。

 グラム氏は8日の上院歳出委員会の小委員会でも、広島、長崎への原爆投下を例示し、オースティン国防長官らにイスラエルへの弾薬供与を訴えた。日本政府はこれを受け、グラム氏の事務所に申し入れをしていた。


夫妻殺害容疑で再逮捕 平山容疑者、実行役勧誘か―「4月初旬に依頼された」・那須2遺体

栃木県那須町の河川敷で会社役員夫妻の遺体が見つかった事件で、警視庁と栃木県警の合同捜査本部は11日、殺人容疑で、建設業平山綾拳容疑者(25)=埼玉県越谷市花田=を再逮捕した。捜査本部は、同容疑者が指示役から夫妻の殺害を依頼され、車の用意や実行役2人を勧誘したとみて、詳しい経緯を調べる。

 逮捕容疑は4月15日午後11時50分~16日午前1時半ごろ、東京都品川区東五反田にある空き家の1階ガレージで、首を絞めるなどして会社役員宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)を殺害した疑い。幸子さんは頭部にハンマーで殴られた痕もあった。

 捜査本部によると、平山容疑者は「4月初旬に指示役から夫妻の殺害と遺体処理を依頼され、実行役2人に頼んだ」と供述。同容疑者自身はガレージには入っていないとみられる。

 捜査本部はこれまでに死体損壊容疑で、平山容疑者のほか、夫妻の長女の内縁の夫で、会社役員の関根誠端容疑者(32)や職業不詳佐々木光(28)、同姜光紀(20)、元俳優若山耀人(20)各容疑者ら計6人を逮捕した。首謀者とみられる関根容疑者が、佐々木容疑者を介して平山容疑者に依頼、同容疑者が姜、若山両容疑者に実行を指示したとみている。

 夫妻の焼損遺体は4月16日朝、那須町の河川敷で見つかった。頭部にかぶせたポリ袋に粘着テープが巻かれ、結束バンドで手足を縛られていた。

 平山容疑者は夫妻の遺体を那須町まで運んだ車やガソリン、結束バンドなども調達したとされる。関根容疑者からは総額1500万円ほどの報酬が支払われたとみられ、平山容疑者は自身の取り分として「900万円を受け取った」と供述している。捜査本部は同容疑者の関係先から現金約700万円を押収しており、金の流れについても裏付けを進める。

 東京地検は11日、同容疑者の死体損壊容疑について、処分保留とした。


夫妻殺害疑い、平山容疑者再逮捕へ 実行役に指示か―那須2遺体

栃木県那須町の河川敷で会社役員夫妻の遺体が見つかった事件で、警視庁と栃木県警の合同捜査本部は殺人容疑で、建設業平山綾拳容疑者(25)=死体損壊容疑で逮捕=を11日に再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。

 捜査本部は、同容疑者が指示役から夫妻の殺害も依頼され、実行役と疑われる男2人を勧誘するなどしたとみて詳しい経緯を調べる。

 捜査関係者によると、平山容疑者は実行役らと共謀し、4月15日午後11時50分~16日午前1時半ごろ、東京都品川区東五反田の空き家ガレージで、会社役員宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)を、首を絞めるなどして殺害した疑いが持たれている。

 幸子さんは頭部に鈍器で殴られたような痕もあり、捜査本部が押収した平山容疑者名義のセダンからは、幸子さんの血痕が付いたハンマーが見つかっている。

 夫妻の遺体は同16日朝、那須町の河川敷で焼かれた状態で見つかった。頭部にかぶせたポリ袋の上から粘着テープが巻かれ、結束バンドで手足を縛られていた。

 捜査本部はこれまでに平山容疑者のほか、夫妻の長女の内縁の夫で、会社役員の関根誠端容疑者(32)や職業不詳佐々木光(28)、同姜光紀(20)、元俳優の若山耀人(20)各容疑者ら計6人を死体損壊容疑で逮捕。首謀者とみられる関根容疑者が、佐々木容疑者を介して平山容疑者に夫妻の殺害と遺体処理を依頼し、同容疑者が姜、若山両容疑者に実行を指示したとみている。

 平山容疑者は夫妻の遺体を那須町まで運んだセダンやガソリン、結束バンドなどの調達も担ったとされる。関根容疑者からは総額1500万円ほどの報酬が支払われたとみられ、平山容疑者は自身の取り分として「900万円を受け取った」と供述している。


「結婚前提」供述も交際の形跡なし 容疑者、一方的に好意か―東京新宿の女性刺殺

東京都新宿区のマンションで無職平沢俊乃さん(25)が刺され、死亡した事件で、殺人未遂容疑で逮捕された職業不詳和久井学容疑者(51)が「結婚を前提に金を貸したが返ってこなかった」という趣旨の供述をしていることが9日、捜査関係者への取材で分かった。

 ただ、2人が交際していた形跡はないといい、警視庁新宿署は和久井容疑者が一方的に好意を募らせていた可能性があるとみて、容疑を殺人に切り替えて調べている。

 捜査関係者によると、和久井容疑者は平沢さんがかつて経営していたガールズバーの客で、「経営を応援していた」「結婚を前提に金を貸していた」などと供述。バイクや車を売った金で「1800万円使った」とも話しているが、交際していた形跡は確認されていないという。

 和久井容疑者は7日夜、平沢さんが住むマンション付近で待ち伏せ。8日未明、コンビニに来た平沢さんに声を掛け、刃渡り約10センチのナイフなどで複数回、刺したとみられている。

 和久井容疑者は平沢さんへのストーカー行為で2年前にも逮捕されていた。


ネズミ混入か、食パン自主回収 「超熟」10万個―敷島製パン

敷島製パン(名古屋市)は8日までに、食パン「超熟山型5枚スライス」など約10万4000個を自主回収すると発表した。同社によると、小型のネズミとみられる小動物の一部が商品に混入したためで、原因究明や再発防止を急ぐ。

 回収するのは「超熟山型5枚スライス」と「超熟山型6枚スライス」で、3日に同社パスコ東京多摩工場(東京都昭島市)で製造し、消費期限が7~11日の商品。

 購入者から5、7日に連絡があり発覚した。異物が混入した2商品は回収済みだが、念のため同じラインで製造したものも回収対象とし、当面この製造ラインを停止するとしている。

 同社は対象商品の製造所固有記号や管理記号などをホームページに掲載。回収後に商品代金相当のクオカードを送付する。連絡先はフリーダイヤル(0120)001781。


夫妻の娘の内縁夫を逮捕 事件主導か、死体損壊容疑―那須2遺体

栃木県那須町の河川敷で会社役員夫妻の遺体が見つかった事件で、警視庁と栃木県警の合同捜査本部は6日、死体損壊容疑で、夫妻の娘の内縁の夫、会社役員関根誠端容疑者(32)=東京都世田谷区等々力=を逮捕した。同容疑者宅を家宅捜索し、任意同行を求めたが拒否されたため逮捕に踏み切った。

 捜査本部は、関根容疑者が指示役とみられる職業不詳佐々木光容疑者(28)=同容疑で逮捕=らに報酬を約束し、事件を持ち掛けたとみて全容解明を急ぐ。


アルジャジーラ活動停止へ イスラエルが閣議決定

イスラエル政府は5日、中東の衛星テレビ局アルジャジーラの国内での活動停止を全会一致で閣議決定した。同国政府は、カタールを本拠とする同局を、パレスチナ自治区ガザで戦っているイスラム組織ハマスの「代弁者」と見なしている。

 停止措置がいつから発効するかは明らかでない。アルジャジーラは閣議決定を受け、自局について「ガザ内に残り、イスラエルの大量殺害を非難する数少ないメディアだ」と説明した。同局のイスラエルとパレスチナ自治区の責任者はロイター通信に対し、「(決定は)危険で政治的動機に基づいている」と非難。取り消しを求めて裁判所に訴える可能性を示唆した。


バイデン氏発言に抗議 「外国人嫌い」に「残念」―日本政府

バイデン米大統領が日本を中国やロシアと並べて「外国人嫌い」の国と発言した問題で、日本政府が3日までに、米政府に抗議の申し入れを行ったことが分かった。在米大使館によると、「日本の政策の正確な理解に基づかない発言があったことは残念だ」と伝え、日本の立場や政策について改めて説明した。

 バイデン氏は1日、移民受け入れが米国の経済成長を支えてきたと説明する文脈で、日本や中ロ、インドを「外国人嫌い」「移民を望んでいない」などと発言。同盟国や友好国に対して不適切な表現だと物議を醸し、ホワイトハウス高官が釈明に追われる事態となった。


大手5行が引き上げ 5月住宅ローン金利

大手銀行5行は30日、5月の住宅ローン金利を発表し、代表的な固定期間10年の基準金利を全行が引き上げた。日銀が年内にも追加の利上げを行うとの見方が強まっており、参考指標となる長期金利が上昇していることを踏まえた。

 10年固定の最優遇金利は、三菱UFJ銀行が0.08%引き上げ1.06%、三井住友銀行が0.31%引き上げ1.70%、三井住友信託銀行が0.120%引き上げ1.345%、みずほ銀行が0.10%引き上げ1.50%、りそな銀行が0.14%引き上げ1.78%。

 変動金利型は5行とも据え置いた。ただ今後、日銀が追加利上げに踏み切れば、変動金利型も引き上げる可能性がある。


現金1千万円近く押収 平山容疑者の関係先、報酬か―那須2遺体

栃木県那須町の河川敷で会社役員夫妻の遺体が見つかった事件で、警視庁と栃木県警の合同捜査本部が関係先から現金1000万円近くを押収していたことが1日、捜査関係者への取材で分かった。

 建設業平山綾拳容疑者(25)=死体損壊容疑で逮捕=が受け取った報酬の一部とみられ、捜査本部は金の流れを詳しく調べている。

 捜査関係者によると、捜査本部は先月30日までに、平山容疑者が関係先に預けていた1000万円近い現金を押収した。

 平山容疑者は4月16日午前3時半ごろ、東京都品川区内で指示役とみられる職業不詳佐々木光容疑者(28)=同容疑で逮捕=と接触し、報酬を受け取ったと説明。「佐々木容疑者から遺体の処理を指示された」「千数百万円の報酬をもらい、飲み仲間2人に分配した」とも供述していた。

 佐々木容疑者が潜伏先の那覇市で逮捕された際、数百万円を所持していたことも判明。「事件とは関係ない自分の金だ」「ある人物から遺体の処理を依頼され平山容疑者に持ち掛けたが、自分は報酬を受け取っていない」という趣旨の話をしており、捜査本部は裏付けを進めている。

 事件は16日朝に発覚した。通報で駆け付けた警察官が、頭部にポリ袋をかぶせられ、焼かれた宝島龍太郎さん(55)と妻幸子さん(56)の遺体を発見。捜査本部は他にも指示役がいるとみて調べている。


東シナ海で軍事活動 空母「福建」試験航海か―中国

中国の上海海事局は30日、上海沖の東シナ海で5月1~9日に軍事活動が行われるとして、航行禁止区域を設定したと発表した。香港紙・星島日報(電子版)は、中国3隻目の空母「福建」が初の試験航海を行う可能性があるとする専門家の観測を伝えた。

 「福建」は2022年6月に進水。実戦配備済みの「遼寧」「山東」に続く3隻目の空母で、艦載機を効率的に射出する電磁カタパルトを初めて採用した。今年4月には甲板に艦載機の模型とみられるものが置かれた画像がSNSで広まり、試験航海の最終準備に入ったとの見方が出ていた。

 習近平政権は海洋権益を重視し、海軍力増強を進めている。4月には海軍創設75年を迎え、ミサイル駆逐艦などを公開して装備・戦力の発展を誇示した。


尖閣警備、日中の攻防激化 「エスカレート」警戒する政府

沖縄県石垣市の尖閣諸島を巡っては、領有権を主張する中国の海警局船が領海侵入を繰り返し、日本の海上保安庁も大型の巡視船を導入するなどして対抗している。一方、日本政府は事態のエスカレートを懸念し、慎重姿勢を崩さない。

 「国有化以前はのどかな海域だった」。ある海保幹部はそう指摘する。かつては上陸する日本人も少なくなかったというが、2012年に東京都の石原慎太郎知事(当時)が民有地だった3島の購入を表明。政府が国有化して以降、中国側は強硬姿勢を強めた。21年に海警法を施行し、海警局に武器使用を許可。領海侵入の回数は増加し、接続水域での航行も常態化した。フリゲート艦を改造したとみられる海警船も現れている。

 日本側は23年、日本が外国から攻撃を受けた武力攻撃事態に、防衛相が海保長官を統制下に入れる「統制要領」を決定。防衛省関係者は、東シナ海では海上自衛隊の護衛艦と中国軍の艦艇が、海面下では日中の潜水艦が距離を取ってにらみ合っていると明かす。

 「長く突発事態が起きていないのは、冷静を保つ意識が末端まで浸透しているからだ」。海保幹部はこう口をそろえる。17年、元幹部がボクシングになぞらえて「クリンチ」と評し、23年には第11管区海上保安本部(那覇市)の幹部が「引き分けのキープが重要だ」と発言したが、世論の批判を浴び、首相官邸からも叱責を受けた。

 石垣市が海洋調査に赴いたのは3年連続。ただ、市が求める上陸の許可は今回も下りなかった。「こちらが行動すれば、中国にも同じことをされる」。エスカレートを懸念する外務省などの方針を受け、首相官邸にはドローンの飛行にも否定的な見解があったという。今回調査に携わった市関係者は「本来は国がやるべきことだ」と語った。


衆院3補選、自民全敗 立民完勝、維新も下す―岸田政権に打撃

自民党派閥の裏金事件後初の国政選挙となった衆院東京15区、島根1区、長崎3区の補欠選挙が28日、投開票され、自民党は唯一候補を立てた島根を落として全敗を喫した。立憲民主党は9人乱立の東京、日本維新の会と一騎打ちを展開した長崎を含めて完勝。岸田文雄首相(自民総裁)に深刻な打撃となった。

 3補選はいずれも「政治とカネ」の問題が取り沙汰された自民議員の辞職・死去に伴う。強い批判が民意として示された形だ。

 与野党は5月の大型連休明けから、後半国会の焦点となる政治資金規正法の改正論議を本格化させる。規制強化を訴える立民など野党が攻勢を強めるのは必至。9月に党総裁任期満了を迎える首相は局面転換を図るため、6月23日の会期末に合わせた衆院解散を模索しているとされるが、「岸田降ろし」の動きが表面化する可能性もある。

 自民の茂木敏充幹事長は28日夜、党本部で記者団に「大変厳しい結果だ。国民の信頼を回復できるよう努めたい」と述べた。立民の泉健太代表は記者団に「自民党の政治改革案が進まないなら(国民に)信を問わなければならない。早期の衆院解散を求めていきたい」と強調した。

 島根1区は細田博之前衆院議長(自民)の死去を受けて実施され、立民元職の亀井亜紀子氏(58)が自民新人の錦織功政氏(55)=公明党推薦=との一騎打ちを制した。細田氏は安倍派(清和政策研究会)の会長経験者。島根は全国有数の「保守王国」として知られ、自民は1996年の小選挙区制導入以降で初めて議席を失った。

 自民は東京15区と長崎3区で候補擁立を見送り、不戦敗を選択した。

 東京15区は公職選挙法違反(買収など)事件で柿沢未途前法務副大臣(自民離党)=有罪確定=が議員辞職したことに伴う。立民新人で元東京都江東区議の酒井菜摘氏(37)が、無所属新人の須藤元気氏(46)、維新新人の金沢結衣氏(33)=教育無償化を実現する会推薦=、諸派新人の飯山陽氏(48)、小池百合子都知事が支援した無所属新人の乙武洋匡氏(48)=国民民主党推薦=ら8人を下した。

 長崎3区は安倍派裏金事件を受けた谷川弥一氏(自民離党)の辞職による。立民前職の山田勝彦氏(44)=社民党推薦=が維新新人の井上翔一朗氏(40)=教育推薦=を破った。

 

 

 ◇島根  1区 衆選補選  開票終了

                 確定

当 82,691 亀井 亜紀子 立 元(2)

  57,897 錦織 功政  自 新

 

 ◇東京 15区 衆選補選  開票終了

                 確定

当 49,476 酒井 菜摘  立 新(1)

  29,669 須藤 元気  無 新

  28,461 金沢 結衣  維 新

  24,264 飯山 陽   諸 新

  19,655 乙武 洋匡  無 新

   8,639 吉川 里奈  参 新

   8,061 秋元 司   無 元

   1,410 福永 活也  諸 新

   1,110 根本 良輔  諸 新

 

 ◇長崎  3区 衆選補選  開票終了

                 確定

当 53,381 山田 勝彦  立 元(2)

  24,709 井上 翔一朗 維 新。


カスハラ「対応いたしません」 厳格な方針発表―JR東グループ

JR東日本グループは26日、客が従業員らに過度な要求や迷惑行為などを行う「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への対処方針を発表した。カスハラが行われた場合、「お客さまへの対応をいたしません」としている。

 JR東グループは、対応を中止するカスハラとして、身体的・精神的な攻撃や土下座の要求、社員の個人情報のSNS投稿などを例示した。悪質な場合は警察や弁護士などに相談するという。

 客の意見や要望には「今後も真摯(しんし)に対応する」とした上で、「カスハラには毅然(きぜん)と対応し、社員一人ひとりを守ることも、継続的に安全で質の高いサービスを提供していくために不可欠と考えた」と説明している。

 JR各社でカスハラへの対応方針を発表したのは初めてとみられる。鉄道事業者では東京メトロが3月に対応ポリシーを制定している。


富士山撮影殺到で「目隠し」 マナー違反に対策―山梨・富士河口湖町

コンビニ越しに富士山を望む構図が話題となっている山梨県富士河口湖町の撮影スポットに、高さ2.5メートル、幅20メートルほどの黒いネットが張られることになった。この場所には、外国人観光客らが殺到。ごみのポイ捨てなどのマナー違反に耐えかねた住民の要望に応じ、町が富士山を見えなくする「目隠し」の設置を決めた。

 町によると、1~2年前から人気になっているという。現在は常時数十人が撮影に興じるが、マナー違反の横行も目立つ。コンビニから道路を挟んだ向かいの歯科医院によると、医院前の歩道を撮影者が占領し、ごみのポイ捨てや喫煙、無断駐車が頻発。屋上へ侵入したり敷地内で商売を始めたりするケースもあり、井出太一副院長は「患者にも迷惑がかかり、本当に困っている」と話す。

 町も警備員を配置するなどの対策を講じているが、効果は薄いのが実情。そこで、最終手段として医院前の歩道にネットを設けることを決めた。30日から工事を始め、早ければ5月1日にも設置される見通しだ。


宇宙非核決議案を否決 兵器開発疑惑のロシア拒否権

国連安全保障理事会は24日、日米が共同提出した宇宙空間に核兵器を配備しないよう各国に求める決議案を否決した。全15理事国のうち13カ国が賛成したが、ロシアが拒否権を行使した。中国は棄権した。

 米メディアによると、ロシアは人工衛星を攻撃するための核兵器を開発中とされる。ロシアは疑惑を否定しているが、決議案採択を阻んだことで「(開発中だという)深刻な疑念を抱かせる」(米政府高官)結果となった。

 決議案は、1967年発効の宇宙条約で定められた核兵器や大量破壊兵器の宇宙空間への設置禁止を再確認し、宇宙の平和利用を促す内容。同案は、地球周回軌道への配備を想定した核兵器の開発も禁じていた。宇宙条約は安保理常任理事国である米英仏中ロを含む100カ国以上が批准している。

 トーマスグリーンフィールド米国連大使は否決を受けた演説で「(ロシアの)プーチン大統領は核兵器を宇宙に配備するつもりはないと公言している。なぜそれを再確認する決議案を支持しないのか」と批判。山崎和之国連大使も「現在、そして未来の人々に送りたかった重大なメッセージを沈黙させた」とロシアを非難した。


麻生氏、トランプ氏と会談 返り咲き備え関係構築

自民党の麻生太郎副総裁は23日午後(日本時間24日午前)、訪問先の米ニューヨークでトランプ前大統領と会談した。トランプ氏が11月の大統領選で返り咲く場合に備え、関係構築を図った。

 麻生氏は午後6時前、ニューヨーク市マンハッタンのトランプタワーに到着。ロビーでトランプ氏に出迎えられると笑顔を見せた。

 トランプ氏は麻生氏について「非常に有名な男だ。親友の(故安倍)晋三(元首相)を通じて知っていた」と紹介。その上で「晋三は偉大な男だった。彼がいなくなってとてもさみしい」と述べた。

 日本については「素晴らしい国だ。われわれは日本の人々を尊敬している」と強調。「(麻生氏と)両国関係やたくさんのことを話す。彼を迎えられて大変光栄だ」と語った。

 トランプ氏は不倫口止め料を不正に処理したとして起訴された事件の公判に連日出廷しており、この日も裁判所から戻った後の会談となった。麻生氏は午後7時ごろにトランプタワーを離れた。約1時間の滞在となった。

 トランプ氏の再登板を見据え、各国首脳や要人の「トランプ氏詣で」が続いている。17日にはポーランドのドゥダ大統領が同じくトランプタワーで面会。キャメロン英外相が8日にフロリダ州の私邸で、ハンガリーのオルバン首相も3月にトランプ氏の元を訪れている。

 麻生氏は1月の訪米時にもトランプ氏との接触を模索したが、調整がつかなかった。


海自ヘリ2機墜落、空中衝突か 1人死亡、7人不明―伊豆諸島周辺で訓練中・防衛省

20日夜、東京・伊豆諸島の鳥島東約280キロの洋上で訓練していた海上自衛隊のヘリコプター「SH60K」2機が行方不明となった。フライトレコーダーなどが近接した場所で見つかり、防衛省は2機が墜落したと断定。空中で衝突したとみて、詳しい状況を調べている。

 2機には計8人が搭乗しており、このうち1人が救助されたが、死亡が確認された。自衛隊は艦艇やヘリ、航空機を多数投入し、海上保安庁の応援も得て残る7人の捜索を続ける。

 海自によると、行方不明になっているのは長崎県の大村航空基地に所属する機体(機長・松田拓也3等海佐)と、徳島県の小松島航空基地所属のもう1機(機長・板村一輝3佐)。ともに4人乗りで、機長の他に副機長とレーダーやソナーを操作する航空士2人ずつが搭乗していた。海自は死亡が確認された1人の身元特定を進める。

 20日午後10時38分に松田機長のヘリと連絡が取れなくなり、同39分に緊急信号を受信。午後11時4分には板村機長の機体の不明も判明した。ソナーで潜水艦を探知する夜間訓練を実施中で、レーダー記録などから両機が近接して飛行していたことを確認。フライトレコーダーはすぐ近い海域で発見され、海自は2機が空中で衝突して墜落した可能性が高いと判断した。他にローターブレードなど機体の一部や乗員用のヘルメット数個が見つかったという。

 海自は同じ訓練に参加した別のヘリから状況を聞き取るとともに、回収したフライトレコーダーを海自内の解析機関に運んで詳しい分析を急ぐ。約80機保有する同系統のヘリについては当面の間、訓練飛行を停止する。

 現場付近の当時の天候は晴れで、視界や風速に問題はなく、機体の異常も確認されていないという。現場海域は水深約5500メートルあり、機体の捜索や回収は難航が予想される。

 海自制服組トップの酒井良海上幕僚長は21日午後、臨時記者会見を開き、事故について謝罪。「夜間の難しい訓練ではあるが、安全対策が取られていれば事故は防げたはずだ。しっかりと検証したい」と話した。


EV失速、自動車市場で何が起きているのか◆「意識高い系」購入一巡の先

テスラ幹部は今年1月の決算説明会で、24年の販売について「顕著に下回る可能性がある」と言及した。投資家には失望が広がり株価は急落。実際、4月初旬に発表されたテスラの1~3月の世界販売は前年同期比8.5%減の38万台となり、コロナ禍で人やモノの動きが止まった20年4~6月以来、約4年ぶりに減少に転じた。

 同社は、販売減の理由について、改良モデルの生産が初期段階にあることや、イエメンの親イラン武装組織による紅海周辺での商船攻撃を受け、迂回(うかい)輸送を余儀なくされたことで、部品供給に影響が生じ、工場の操業停止につながったことなどを挙げた。しかし、これ以外にも世界的な需要の鈍化や、主要市場である中国での競争激化が背景にあるとみられている。

 

 4月中旬に入り、欧米メディアが同社の人員削減案を報じたこともあり、テスラ株はさらに値下がり。年初からの下げ幅は3割以上に拡大した。

BYD、過当競争で利益率低下?

BYDの電気自動車(EV)「SEAL(シール)」=2023年10月、東京都江東区

BYDの電気自動車(EV)「SEAL(シール)」=2023年10月、東京都江東区

 一方、23年10~12月のEV販売でテスラを抜き、世界首位に躍り出たBYDも自国市場の競争激化に巻き込まれ、増益率が鈍化し始めた。

 BYDの1~3月のEV販売は、前年同期比13.4%増の30万台とプラスをキープ。しかし、直近の23年10~12月と比較すると、販売台数は4割以上減少し、再びテスラを下回った。

 もっとも、EVにプラグインハイブリッド車(PHV)も合わせた中国の新エネルギー車の市場区分全体で見ると、BYDは依然堅調とされる。販売が落ち込む2月の春節(旧正月)休暇の影響を踏まえれば、昨年10~12月と今年1~3月の単純比較は難しいとの指摘もある。しかし、既存メーカーと新興メーカーが入り乱れ、激しい値下げ合戦が展開されているのは事実で、市場関係者や専門家は、中国での激しい競争がBYDの利益率を引き下げているとみている。

 スマートフォン・家電大手の小米科技(シャオミ)は3月下旬、第1弾モデルとなるEVセダンを中国で発売し、本格参入を果たした。既に数多くの新興メーカーが参入し、淘汰(とうた)が進んでいるとされる同国市場はますます混戦模様となりそうだ。

高所得者層の購入が一服

 中国で競争が激化する一方、欧米では「最新技術や環境問題への関心が高い高所得者層のEV購入が一服したことも、成長鈍化の一因」と指摘されている。

東海東京インテリジェンス・ラボの杉浦誠司シニアアナリストは「実際にEVを使ってみた人が増えた分、充電インフラが足りない、使い勝手が悪い、あるいは飽きて中古車として売りに出したら下取り価格が低かったなどの不満が出てきたのではないか」と話す。

 欧州では、社員の家賃補助の代わりとして「企業が社員に貸し出すクルマを、脱炭素化に貢献するEVなどで提供するトレンドが一巡した」(杉浦氏)とも。ドイツを始めとする各国政府による税優遇策の縮小や終了も減速に拍車を掛けたという。

米自動車大手フォード・モーターの主力ピックアップトラックのハイブリッド車モデル=3月27日、ニューヨーク

米自動車大手フォード・モーターの主力ピックアップトラックのハイブリッド車モデル=3月27日、ニューヨーク

 欧米での需要減を踏まえ、米自動車大手フォード・モーターは、カナダ・オンタリオ州で生産を予定している新型3列シートEVの発売時期を25年から27年に延期することを決め、人気が高まっているHVの供給を拡大すると発表。米ゼネラル・モーターズ(GM)は、EVや自動運転への投資見直しが報じられ、独フォルクスワーゲン(VW)は、今夏から本社工場で始める予定だったEVの旗艦モデル「ID.3」の生産計画を取り下げた。

 米新興EVフィスカーのように、資金調達が難航し上場廃止の危機に直面する企業も出ている。

再評価されるHV、PHV

 EV減速のもう一つの背景として、HVやPHVが再評価される動きも挙げられる。EVは、冬場の寒い時期になるとバッテリーの性能が下がり、1回の充電で走れる距離が短くなってしまう懸念がある。こうした弱点をカバーできるのがHVやPHVで、中でも、PHVは充電と給油の両方ができ、近場の職場との行き来や買い物ではEVとして利用し、遠出にはガソリンを燃料にして走るといった使い分けができる。EVよりも長距離走行が可能なHVやPHVは、二酸化炭素(CO2)の排出削減と、バッテリー残量がゼロとなりモーターを駆動させられなくなる「電欠」への不安解消を両立できる「現実解」として消費者に選ばれるようになっている。

 

 

 EVに加え、HVやPHV、水素を使った燃料電池車(FCV)など「多様な選択肢」を提供し、各国の事情に合わせて製品を提供する戦略を取ってきたトヨタの23年の世界販売は、ダイハツ工業や日野自動車を含むグループ全体で前年比7.2%増の約1123万台。2位のVWグループの約924万台を大きく引き離し、4年連続で首位をキープした。

 けん引役は、前年から3割増えたHVで、初めて300万台を超えた。北米や欧州を中心とするHVの販売好調が業績を押し上げた。電池コストが高く収益化が難しいEVで出遅れたことが、結果的には収益率の高いHVで稼ぐことになり、好業績をもたらした。

 ホンダも、HVの販売増や円安を追い風に23年度の通期業績予想を上方修正している。

「普及モデル」投入がカギ

 もちろん、日本メーカーの電動化戦略がこれで万全ということではない。2050年の脱炭素化社会が最終目標である以上、少なくとも先進国では、CO2の排出を減らせてもゼロにはできないHVにいつまでも頼っていることはできないからだ。ガソリン車からEVへの過渡期をHVで稼ぎつつ、最終的にEVやFCVの開発を急ぐという戦略が変わることはない。

 EV販売拡大の成否は、コスト競争力の高い「普及モデル」を投入できるかどうか。それには、コストの約3割を占めるとされる電池の価格引き下げや性能向上がポイントになる。ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹代表アナリストは「競争力確保には、性能を飛躍的に向上させた次世代電池の確保が最低限必要だ」と指摘する。

EV用電池では、トヨタやホンダ、日産自動車の日本メーカーが、充電1回当たりの走行距離が約2倍に伸び、しかも充電時間が3分の1程度に短縮できる次世代バッテリー「全固体電池」の開発を急いでいる。2027~28年ごろの市場投入を目指しているが、本格的な普及時期は2035年~40年とまだまだ先とみられる。その間も、高性能な電池の確保が重要になる。

求められる“負けないEV戦略”

 中西氏は、し烈なEV競争で生き残るには、電池確保とともに「日本が苦手なソフトウエア領域で、欧米大手や新興企業にどう互していくかがカギを握る」と語る。次世代EVには、エンターテインメント性が求められるほか、自動運転などつながるクルマのベースとなるシステム構築や情報活用など、日本が得意とするハード面のものづくりにとどまらない技術を搭載することが求められるからだ。

 クルマの未来は、最終的には走行時にCO2を排出しないEVや水素技術の活用に収れんされていくとみられる。しかし、安全性やインフラ整備、技術の確立には相応の時間がかかることも分かり、ガソリン車が一気に置き換わると言われてきたここ数年の“EVブーム”は後退した。

 日本メーカーにとっては、EVの急速な普及が踊り場を迎えている今が巻き返しの局面なのかもしれない。将来、仮に水素技術で勝ち、業界をリードする存在になったとしても、自動車産業全体を見渡した時には、ソフト面などで必ずしも得意とは言えないEVでも「負けない」だけの競争力を持つ必要がある。

 今後も紆余(うよ)曲折が想定される脱炭素化への道。未来の着地点を見据えつつ、そこへたどり着くルートをどう描いていくのか。各社の戦略が試されるのはこれからが本番だ。